YAEGEI

2019年に解散した琉球大学八重山芸能研究会の個人的思い出を書き溜めました

ミンサー

歌や踊りに関われば、織物にもいくらか関心を持たざるを得ません。「ミンサー」とは帯に使われている織物あるいはその模様を指します。
歌にも出てきますが、ミンサーというのは「五つ」と「四つ」の模様が特徴です。歌に「いちゆぬみんさー(五つ四つのミンサー)」という歌詞も出てきます。

三線の胴に巻かれている布。手皮(てぃーがー)と呼びます。左御紋(ひじゃいぐむん)」という、あの、火の玉が追いかけっこをしているような模様が入っているのが一般的です。あれは、もともと首里王家の家紋だそうです。本来は、左御紋ではなくて自分の家紋を使うべきなのですが、いえ、もちろん自分で作ればそれはすばらしいことですが、市販のものはとりあえず左御紋となるんでしょうね。

またミンサーに戻ります。ミンサーの「五つ と 四つ」は方言では「いちち とぅ ゆーち」ですので、「五 四」は「いち ゆー」これが「いちぬゆー=いつの世(まで)」と洒落て、永遠の愛を誓う(求める)といった意味になります。で、女性が男性にミンサーを織ってプレゼントするという習慣があった。とされています。
私が学生の頃、小浜島の先輩の実家へ行ったときに、縁側に機織り機がありました。今は使っていないというそれは、先輩の話では「これは地機(じーばた)といって、古い形のもの。めずらしいんだ」ということでした。普通に見る機織り機はデスクに向かって仕事をするような感じですよね。でも、地機は床に座って足を延ばして機織りするのだそうです。今はおそらく、博物館へ行かなければ見られないのでしょう。

私が卒業してから、内地でも三線がそこそこ見られるようになってきて、そのころからか、ミンサーの手皮も販売されるようになりました。私がよく見たミンサーは、手皮には少し幅が狭いんです。市販のミンサー手皮はそのあたりはきちんと工夫されていて、サイズもぴったり。恰好いいなと思っておりましたら、後輩OBが「これ、夫の祖母が織ったものなんですが、先輩に」とプレゼントしてくれました。「いやいや、そんな貴重なもの、もらうわけには」「いえ、数本つくってありまして、これは先輩にと」と言ってくれたので、ありがたく頂戴しました。手皮用に縁打ちされ、紐を通す穴が開けられていました。が、棹の後端(猿尾)用の穴は開いていません。このミンサー、愛は込められていませんが、気持ちは込められています。穴をあけるのをためらってしまって、まだいただいたときのまま置いてあります。一生使えないと思います。

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hidarinodo
1978年に八重芸に入った男性