YAEGEI

2019年に解散した琉球大学八重山芸能研究会の個人的思い出を書き溜めました

年始回り

八重芸の石垣公演は、だいたい1月の初旬でした。1978年は3日と4日だったかと思います。多くの部員は八重山出身者でしたので実家にいるわけです。私のような八重山以外の部員は数日前に石垣に行って、部員の家に居候。私も現役時代は毎回お世話になりました。
発表会がそのような日ですので、ほとんどの部員たちは正月を八重山で過ごすことになります。せっかくお正月に部員たちが石垣に集まっているのだから、お正月をお祝いしないのはもったいない。というわけでかどうかは知りませんが、発表会の前日かその前に、数軒の部員の家に部員たちがそろって訪問して回るのです。これが八重芸の年始回りです。
三線や笛太鼓。踊りの小道具を持って(さすがに衣装までは着けませんでしたが)家を訪問。ご家族の前で「赤馬節」から始まって「六調節」のもーやー(沖縄本島で言うカチャーシー)まで、芸能を披露させていただくわけです。

私たちを受け入れてくださる部員のご家庭では、お正月のごちそうをそろえて待ってくださいます。私のような内地の貧乏な学生は恐縮してしまうのですが、そこにはいつもご家族の笑顔がありました。そして、「カリーをつけてくれて、ありがとうね」といった言葉で送ってくださるのでした。

舞台で演奏したり踊ったりするのも、お客さんに楽しんでいただいているわけですが、年始回りはお客さんが手の届くようなところにいて、笑顔や身振りや感想が直接聞ける。歌や踊りをやっていて一番良かったと思えたのは、この時だったような気がします。

芸能とは何か。とどのつまり、人を喜ばせることだと思うのです。それを実感できたのが、この年始回りでした。

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hidarinodo
1978年に八重芸に入った男性