知ってるだろ
私は沖縄(八重山)育ちではない。もちろん沖縄生まれでもない。ですが、長いこと八重芸とかかわっていると、八重山や沖縄出身の友人に、同等の知識や感性を持っていると勘違いされることがあります。
例えば、ヤシガニでお腹をこわすという話をしていると。
「ほら、うちの近くの海岸にこんな感じの木があるさ。あのそばで捕れるヤシガニはあぶない」
そんな木、見たことないです。
方言がわからなくて、
「ねえ、『シコーレー』って、どういう意味?」
「え?どういう意味って?・・・・・何が?何で?」
つまり、だれでも知っている方言(私は知らないのですが)をわざわざ「どういう意味?」と尋ねられて、相手は「ん?ふざけているのかな?何か特別な意味があるのかな?ひょっとしたら、とんち?」などと勘繰られてしまう。こうして相手にしてくれるのはまだ良い方で、こちらが「どういう意味?」とたずねたら「アハハ、またまたー」と冗談だと思われるというのもありました。
八重山や沖縄のことについて、話を聞いたり本を調べたり、それなりに知識を得ようとしてきましたが、やはり育った人の経験、知識量、感性と同じというわけにはいきません。未だに教えてもらいたいことが次々とでてくるのです。