ヤシガニ
たぶん、最初は西表でした。西表出身の部員の運転するトラックの荷台に乗って移動中。海岸沿いの真っ暗な道で突然停まりました。そして、バックします。数メートルバックしたところで車が停まり、部員が降りてきて、
「ほら、ヤシガニ」
道端に、大きなヤシガニがいました。内地の私が喜ぶと思って停まってくれたようでした。
このとき、ヤシガニにも驚きましたが、同じくらい驚いたのは車のバックのときに点灯するライトです。あれって、バックしますよ!の目印みたいなものだと思っていましたが、真っ暗な道では後ろを照らす大切な「後照灯」になるんですね。
もう一度は、夏合宿だったと思います。OBが大きなヤシガニを取ってきて、なぜか、合宿所の食堂のテーブルの脚に、紐をつけて(犬のように?)つないでありました。生きてますから、歩き回ります。そろそろ食事の用意をしようというときに、ヤシガニがテーブルの脚をよじ登り、天板の角のところにしがみついていたのでした。このままでは困ります。私は勇気を振り絞って、ヤシガニの背中をつかみます。テーブルから引き離そうと引っ張りますが、ヤシガニの力は強く、片手では引き離せません。仕方なく、左手で右手首を持って、両手の力を使って引き離そうと力を込めました。すると、「ゴトゴトゴト」テーブルが動いてしまいました。そのテーブルを使うのをあきらめたのでした。