遊び
八重芸の発表会の特徴の一つとして、八重山の生活を切り取って舞台にのせるというのがあります。つまり、歌三線と踊りだけでなく、農作業や大工仕事、雨ごい、酒造りなど、もちろん、そこに唄が絡んでくるのですが、いわゆる「研究所の発表会」とは一線を画すものだったと自負しています。
ということで、子どもの遊びも舞台にのせたこともありました。私は舞台で演じたわけではありませんが、「牛ぬぱん、馬ぬぱん」などは、先輩たちの歌を聞いて覚えています。今でも歌えます。大阪の小学校に沖縄文化の講師として呼ばれて、子どもたちにこれを教えたこともあります。けっこう好評でした。その学校の先生から、後日談としてこんな話が。
「あのあと、遠足があったのですが、地下鉄の中で子どもたちが『うしぬぱーん・・・』とやり始めまして。あわててやめさせました。ハハハ」
地下鉄の座席は、通勤電車のあの長い椅子です。真ん中が通路になっているわけですが、そこへ足を伸ばし大声で歌われては、引率の先生はたまったものではありません。
これは大変でしたねと、一緒に笑いました。