施設訪問

hidarinodo

2020年05月05日 15:45

初めての試み、施設訪問。
肩ひじ張らない発表会とはいえ、舞踊に地方は必要です。4年生は引退扱いだったように思います。あるいは、4月に入ってからの舞台だったか・・・とにかく、新二年生の私も「活躍」する必要がありました。
それほど多くの演目ではありませんが、「黒島口説」と、最後の「浜遊び」という演目、早弾き数曲を連続して演奏するのですが、これなどは憧れの演目でした。この地方も先輩に交じって私も担当することになったのです。
今までの練習や飲み会で見て、聞いてきた歌や踊りではありますが、だからといってすぐに舞台に上がれるわけもなく。練習を続けなければなりません。
地方に慣れていない私は、演奏しているとどんどん早くなってしまいます。先輩が一緒に演奏しているので、合わせればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、先輩を置いて突っ走るように早くなります。
「早いよ。落ち着け!」
演奏しながら先輩が声をかけてくれますが、だからといって「あ、そうか。ゆっくり弾こう」と、突然スピードを落としたりすると、むしろ踊りにくくなってしまうのです。早くなってはいけない。遅くなることはもっといけないのです。

結局、本番でも早くなってしまって、まあ、それでも滞りなく発表会を終えることができました。

今もよく覚えているのは、発表会が終わった時のことです。片付けが終わって、会場の片隅に腰を掛けました。隣に一緒に地方をしてくださった先輩が座しました。
「どうだった?」
初めて大役を終えた私は、精魂尽き果てたといった状態でした。
「いやあ、本当に大変ですね。もう、大変でした。はあ」
「ハハハ。これからもっと大変だよ。お前もすぐに先輩になるんだよ。教える立場だよ」
早くなるなとか、発音が違うとか、言われている立場はなんて楽なんでしょう。
もうすぐ新入部員を迎える時期です。